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透析予防外来開設にあたって 

近年、わが国の慢性維持透析患者数は減少傾向にあります。
日本透析医学会の2024年統計調査報告書では、慢性透析患者数は337,414人で3年連続の減少、透析導入患者数も36,404人と前年より2,360人減少しました。
一方で死亡患者数は38,348人で初めて導入患者数を上回っており、透析患者の高齢化も進んでいます。
一見すると透析医療の需要が減っているようにも見えますが、これはむしろ慢性腎臓病(CKD)の早期発見と進行抑制の重要性がこれまで以上に高まっていることを示しています。
厚生労働省の腎疾患対策でも、CKDの早期発見・治療により透析導入患者数を減らすこと、そして2028年までに年間新規透析導入患者数を35,000人以下にする目標が示されています。

透析に至る前の段階で適切な介入を行うことで、腎機能の低下を遅らせ、透析導入を回避または先送りできる可能性があります。
また、緊急での透析導入を防ぎ、患者さんがより良い状態で治療方針を選択できるよう支援することも重要です。

当院における透析予防外来は、糖尿病・高血圧など高リスクの患者さんを早期に評価し、生活習慣の見直し、薬物治療の最適化、食事・栄養指導、定期的な腎機能評価を通じて、腎臓を守る医療を実践することを目的としています。さらに透析医療を担う病院としての専門性を生かし、地域の医療機関と連携しながら、CKDの早期段階から継続的に患者さんを支えていくことは、地域医療全体にとっても大きな意義があります。

透析患者数が減少傾向にある今だからこそ、透析を「始める医療」だけでなく、「透析に至らせない医療」に力を入れることが求められています。当院の透析予防外来は、その実現に向けた重要な取り組みです。