住吉川病院

神戸市東灘区の内科,外科,人工透析 住吉川病院

〒658-0084 兵庫県神戸市東灘区甲南町5-6-7
TEL 078-452-7111
※上記QRコードを読み取っていただきますと、携帯サイトが閲覧可能です。

【最終更新日】 2017.10.2
トップページ»  透析液清浄化について

当院の透析液清浄化に対する取り組み

§1 透析液とは?
§2 透析治療における透析液 透析液清浄化とは?
§3 当院の透析液製造に関する機器
§4 透析液清浄化対策 当院透析液の清浄度(平成25年)
§5 清浄化透析液が可能とした治療

 

§1 透析液とは?

読んで字のごとく透析治療に使用される液の事です。この透析液の製造は、ほとんどの施設において自施設内で行っていますが、製造工程に使用する機器、機器の消毒、製造された透析液の検査方法などに取り決めは無く各施設の透析の質に差が出る重要な部分です。

図1 実際の透析液製造現場(機械室) 図2 透析用の粉末 これを溶解し透析液を製造する

 

§2 透析治療における透析液 透析液清浄化とは?


 透析治療は血液をダイアライザーと呼ばれる血液浄化器まで取り出し、そこで透析液と血液が膜(透析膜)を介して接する事で行われる治療です。その際、血液中の不要なもの(尿毒素)は透析液側に移動し、透析液内の生体に必要な物質は血液側に移動することになります。

透析液清浄化とは?

 読んで字のごとく透析液を清浄化(きれいに)しようという取り組みです。通常、1回の透析で使用される透析液は4時間治療で120Lです。患者様の血液は、この大量の透析液に週3回暴露されるわけですから、透析液がきれいでなくてはならないのは至極当然というわけです。

 

§3 当院の透析液製造に関する機器

TW-R(RO装置)  RO水と呼ばれる水道水中の不純物を取り除いた水を製造する装置です。このRO水は一般的に真水とか純水とか呼ばれています。当院の透析液製造工程には全てこのRO水が使用されます。

TP-2(A液溶解装置)  ナトリウムやカルシウムなどの電解質の粉末を、RO水で溶解する装置です。
作製された溶液はA原液と呼ばれます。

TP-BHI-G(B液溶解装置)  重炭酸ナトリウム粉末をRO水で溶解する装置です。重炭酸ナトリウムといっても馴染みがないかもしれませんが、重曹といえば一度は聞いた事があるかもしれません。
作製された溶液はB原液と呼ばれます。

TC-HI(透析液供給装置)  前に述べたRO水・A液・B液を一定の比率で混合する装置です。ここで透析液製造工程は終了し、後は配管で各患者様のベッドに運ばれ治療に使用されます。

TR-3000MA(全自動透析用監視装置)  実際に透析治療を行う装置です。当院外来透析室は全てこの装置が導入されています。
この装置は全自動透析用監視装置と呼ばれ、従来の装置とは違う性能を有します。
(詳しくは§5清浄化透析液が可能とした治療)

 

§4 透析液清浄化対策 当院透析液の清浄度(平成25年)

 清浄化された透析液を作成し供給する為の一番のポイントは装置内・配管内に消毒できない箇所を作らないような装置の性能とシステムの構築です。その事を踏まえ他の対策とともに当院の透析液清浄化対策の内容をご紹介します。

a)消毒


 図4は以前当院で行っていた消毒システムです。RO装置を除けば装置は全て毎日の消毒が可能でしたが、一部の供給配管で無消毒となっていました。これはこのシステムを設置した当時の一般的なものでした。


 図5は現在の消毒システムです。RO装置から始まりベッドサイドのTR-3000MAまで全ての装置・配管において毎日消毒を行います。これにより無消毒状態での水の停滞をなくし長期的な清浄化透析液の供給が可能と考えています。


b)ETRF(エンドトキシン捕捉フィルター)
 エンドトキシンと呼ばれる透析液に含まれる生物由来の不純物を捕捉し取り除くフィルターです。当院システムでは、このフィルターが3段階設置されています。(図6)結果、エンドトキシンを検査しても全く検出できないレベルの透析液が供給されています。


c)改良型カプラ
 せっかくきれいな透析液を供給できてもダイアライザーに接続する部分(カプラ)が汚れていれば最終的に台無しになってしまいます。当院カプラは従来から汚染原因として挙げられていたOリングを使用しないタイプの改良型カプラを採用しています。

d)透析機器安全管理委員会の開催
 月に一度、透析機器安全管理委員会を開催し更新される透析液の清浄度の結果について報告し、問題があれば取り上げ対策を話し合います。

当院透析液の清浄度(平成25年)

 現在透析液の清浄度は、先に述べた透析液中のエンドトキシンといわれる細菌の一部を測定する方法と、細菌そのものを培養して測定する方法の2通りによって得られた値によって評価するのが一般的です。
当院の透析液の汚染度検査の結果は、
  エンドトキシン・・・・測定できるレベルより低い(測定感度以下)
  生菌・・・・・・・・・透析液を100ml検査しても生菌がいない(培養できない)
以上のような値を新規オープン以来保ち続けており、エンドトキシン、生菌いずれにおいてもほぼ含まれないであろうレベルの非常に清浄化された透析液の供給が行われています。

 

§5 清浄化透析液が可能とした治療

§4で触れました全自動透析装置使用については高度に清浄化された透析液を用いる事が必須となります。清浄度の基準を満たしたうえで全自動透析装置を使用すると以下のようなことが可能となります。

 A、大量の透析液で透析の回路やダイアライザーを自動で洗浄することができる。(以前よりもきれいな状態で回路・ダイアライザーが洗浄できます)
 B、透析治療を終了する際の返血作業を自動で安全に行える。
 C、間歇補液プログラムが行える。
 D、オンラインHDFが行える。

これらは全て従来、生理食塩水やHDF専用液を使用していた工程を透析液で代替することが可能となった末の機能や治療です。つまり透析液が透析膜を介して又、直接体内に負荷される事になります。なかでも、DのオンラインHDFは透析液が数十リッター直接体内に注入されることからも、いかに透析液がきれいでなければならないか理解できると思います。当院のシステムにおいて清浄化透析液は必須であり、その結果、患者様病態に合った治療を供給できるようになっています。